「ゆらっと遊覧 彦根城お堀めぐり ―他都市に真似のできない文化遺産を使ってのまちづくり」
小島 誠司さん(NPO法人 小江戸彦根 副理事長)
小島さん達が始めた彦根城お堀めぐりは、平成19年2月に営業を開始し、250日の期間中、1万2千人のお客様を乗せました。収支も黒字になり、船を増やして春に備えているそうです。
一言でいうと、ベンチャー・ビジネスを起したのです。動機をはっきりとさせ、目的を掲げて事業計画を描き、協力者を集め、400年祭後も残す観光ビジネスとしてどうすれば生き残れるか戦略を考えています。しかも、社会的に意義の高い目的を掲げるコミュニティビジネスです。
驚いたことに、この船は井伊家の「新藩主御好屋形船」を、フェリックス・ベアトが幕末に撮影した屋形船の写真を横浜市立開港資料館で発見して復元し、文化庁の許可を得ているのです。つまり、本物の屋形船、本物の城、本物の石垣という点が、松江などと比べて観光競争上の強みになっているわけです。「ほんもの」は、どんなものでも圧倒的な競争力があるのです。それに気づいて磨けば光るのですが、偽物は光りません。「文化遺産の彦根城に新たな企画や気持ちを入れることで「リファイン」する」という言葉も新鮮でした。そのとおりですね。
屋形船、自転車タクシー、戦国丸など、継続するビジネスが起こってきたのは、すばらしいことです。これからも、一緒にかんばりましょう。
また、フェリックス・ベアトが幕末に撮った膨大な写真の中に、彦根の景観が含まれているという事実はおどろきでした。A・パーソンズにつづく新発見になるかもしれません。
ところで、小島さんも指摘されていましたが、400年祭には、「振り返り」がありませんね。「振り返り」とは、「他人事ではなく、自分事として」整理し直すことで、明日への糧だと思います。
「それぞれの彦根物語」で是非、「振り返り」をしてみましょう。
次回は、つぎのとおりです。お楽しみに。
【彦根物語41】平成19年3月22日(土)10:30~12:00
「彦根城築城400年祭の市民サポーター 彦根を盛り上げ隊」
岡村 博之さん (400年祭市民文化創造部会 部会長、彦根を盛り上げ隊 発起人)
4月号も、【彦根城築城400年祭特集】です。
【彦根物語43】 平成20年4月19日(土)10:30~12:00
「佐和山一夜城復元プロジェクト」
和田 一繁 (彦根商工会議所 青年部会長)
【彦根物語44】 平成20年4月26日(土)10:30~12:00
「ベロタクシー ~町の風景になじむ移動手段」
齋藤 毅 (NPO法人五環生活 自転車タクシー事業部リーダー)