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彦根見聞録 夢京橋キャッスルロード「過去とともにある未来」

毎回大変な彦根城下町検定試験について

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嶋津慶子 
彦根商店街連盟広報部長 夢京橋商店街振興組合理事



それぞれの彦根物語54 2008.10.11      リポート by E・H氏

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 お話をいただいた嶋津さんは、夢京橋キャッスルロードのブライダルハウス サムシング・フォーの店主。結婚式の貸衣装や演出を手がけている。ウインドウに美しいウエディングドレスが輝くお店に、思わず足を止めてしまう。嶋津さんは、黒の服に小柄な体で、ファッション関係にしてはおしとやかな印象をうける。しかし、彼女が商店街連盟広報部長に就任してからの変化は、激しい嵐のようだ。

内向きから外向き広報へ
 彼女は、「郊外の大型小売店に対抗して商店街にお客様に来てもらうにはどうしたらいいか」を考え、まず商店街広報を改革した。それまでは、会員である商店主を対象とした内向き広報であったものを、外向きに変えた。お客様に訴求できる広報誌とし、45,000部を発行。名前も「あっ!!」と変えた。「あっ!ええもん見つけた!」の略で「ちっちゃな感動」をお客様に提供できる「あきんど」でありたいとの「思い」がこもったネーミングだ。4年前にはじめ、現在までに16号を発行している。

f0017409_17463274.jpg商店街検定から城下町検定へ 
 商店街の店主は、相手を認めずお互いに足を引っ張り合うという問題があった。そこで、考えたのが商店街検定だった。漫才師やコメディアンを呼んで、商店街を歩き、試験をすることでお客様を商店街に呼び、商店街の意思疎通を改善しようとした。
いろいろなクレームがついたが、市民やマスコミは、全国の地域検定ブームにいち早く対応して彦根検定が始まったことを歓迎してくれた。

 そこで、2年目は「城下町検定」に切り替え、彦根史談会、彦根城博物館の協力のもとに実施したが、受験者はたった80人程度だった。姫路検定や明石のたこ検定が2000人台なのにどうして受験者が少ないのか。どうしたら増えるのか。島津さんたちは、「テキストはないのか」という問い合わせをヒントに、彦根城博物館監修で「彦根城下町検定公式テキスト」(1,050円
)をつくった。真っ赤な表紙にひこにゃんがデザインされた「赤本」だ。すると、400人収容の彦根商工会議所の大ホールに入りきれず、2つの会議室を追加するほど受験者が集まった。

 これに気をよくした嶋津さん達は、今年の会場を滋賀大学経済学部の大合併講義室にした。1000人をめざす工夫として、検定対策セミナーを彦根城博物館能舞台で10月18日と11月15日の2回無料で開催する。本番は12月7日午後1時30分から、60分で100問を解き、80%以上正解で合格となる。申し込みはインターネットでも可能。締め切りは11月25日までとなっている。

f0017409_17465790.jpg 秘密の合格術
 客観的にみると、商店街が主催していること、無料であること、合格者にはバッジがもらえるなど、全国の検定にはない特徴がある。参加者で、実際に過去問題を26問やってみた。3択だから決して難しくない。彦根が好きな人なら楽しんで取り組める。セミナーとテキストを参考に実際に彦根の町を歩いてみることをお勧めする。とにかく、合格しなかったからといって彦根に出入り禁止となるわけでもない。無料なんだし、楽しみましょう。

 それでも合格したい人はヤマを張ろう。受験対策セミナーを能舞台でやるのだから、能は出るだろう。井伊直弼関連の質問も必ず出る。嶋津さんのお宅では、ひな祭りは4月3日にしていた。3月3日は桜田門外で藩主井伊直弼が暗殺された日なんだから。こういう特殊な情報はきっと出題されるとみた。

集客の極意
 「本当に彦根の人は燃えません。どうしたらいいのでしょう?」という嶋津さんに応えて、どうしたら受験者を集めることができるか皆で考えた。口火を切ったのはN氏。ふっと謎の笑みを浮かべて「簡単ですよ。事件をおこすことです」と言った。「ひこにゃんだって著作権事件でもめて有名になった。私なら手下に命じて試験問題の捏造疑惑を起こし、新聞沙汰にする。そうしたら話題になって、受験者が押し寄せる。」 これには大爆笑。捏造して何の得になるのかよくわからないが、嶋津さんは「私の美しいイメージに合わない!」と却下。市民や一般の人から試験問題を募集する、城下町検定の名前がかたいので「ひこにゃん検定」にするなどのアイデアが出された。しかし、お客様の行動を認知、行動、リピートと分析する行動科学的手法から見るとN氏の発想は、内容はともかく一種の極意とも言える。

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夢京橋キャッスルロードの夢と現実
 嶋津さんは、観光客でにぎわうキャッスルロードのまちづくりをどう思っているのだろうか。嶋津さんが小学生だった昭和30年代の中ごろから既に本町通の道路拡幅の話はあった。昭和40年12月に本町線の拡張が都市計画で決定された。そして、衰退が著しく進むなか、昭和61年に本格着手。町づくり委員会が設けられ、建物は統一した江戸町屋の外観とするため細かいデザインコードが決められ、まちなみ審査会で厳密な審査がなされた。昭和63年11月一号街区が着工、平成11年5月に全体が完成した。

 本町通りで道路拡張に賛同した68戸のうち商店は38戸にすぎなかった。そして、いまも商店として続いているのは11戸だけである。あとは、商売をやめたりテナント貸しになったりした。都市計画道路の拡張に伴う街区整備は、換地を伴う土地区画整理となるため、一帯の全部の建物を取り壊し新築するか移転しなければならない。一軒でも残したら成立しない仕組みなのだ。夢京橋は「張子のとら」「造りもののテーマパーク」と批判されることもあるが、そうしないと家が建てられなかったのが現実だ。

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過去とともにある未来
 島津さんのかつての町家は、隙間が多くてエアコンをつけても無駄だといわれた。それが新しくなってエアコンも良く効くようになり快適な生活が実現した。反面、「ほっこりとした気分になれる」空間は失われた。「新しい家になってありがたいが、さびしい」と嶋津さんはいう。小さな頃、芹橋に習い事に通っていた彼女は、足軽屋敷の玄関や座敷の空間をよく覚えているという。それらが消えてしまうのは、本当にさびしい。古いものを壊して新しく造るこれまでの街づくりとは少し違う未来があるのではないか。過去を消すのではなく、過去とともにある未来があるのではないか。島津さんはそう語っているように思えてならなかった。



次回の「それぞれの彦根物語55」は10月25日(土)10:30分より
「花しょうぶ十二将!汗と涙の奮戦記」 
   中溝雅士さん(花しょうぶ通り商店街振興組合顧問 前理事長)
 
 数々のイベントを企画し超エンターテイナーの中溝さん。この人のトークをFM彦根で聞いたが、文句なしに面白い。寅さんの2倍面白い。この機会は絶対に逃せません。
 寺子屋力石もルアムのakiさんの手でますます美しく変身中。期待して来てください。
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by machinoeki | 2008-10-13 17:21 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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