【彦根物語30】
「彦根城の自然」
渡邊 輝世
(彦根城オニバスプロジェクト代表)
彦根城の自然に対する思いを伝えることは大変難しかったですが、彦根城(城山)の森は彦根市民にとっては「鎮守の森」なのです。市民には大切に守る責務があると私は確信しております。世界遺産を望むならなおさらです。それには、第一に多くの市民の方々にまず城山の樹木や自然の美しさ、大切さを知ってもらうことが必要なのです。
平成13年から城山の植生分布図を作成し、それぞれの木200本に名札をつけ、平成15年からは彦根市観光課主催で「樹木ウォッチング」を年2回開催しています。
これからも定期的に彦根城樹木ウォッチングを、工夫を凝らし続けていきたいと思います。
一本、一本の樹木を守ることも大切ですが、城山の森全体を守ることが最も大切なことなのです。森の一ヶ所が崩れることは、やがてそこから照葉樹の森が破壊され、単なる雑木林になる原因となるのです。
安定した極相林(照葉樹の森)を破壊する第一は、人為による観光目的、人間の安易な都合のみの伐木だと私は思います。木の声に耳を傾けることが必要なのです。
第二に城山の貴重な植物(レッドリスト)の保護と増殖を、多くの知恵と力を借りて行動に移すことです。
(例) ・彦根城オニバスプロジェクトの活動を進めること。
(07.02.17 設立総会を行いました。)
・ハイハマボックス(サクラソウ科)の播種
(3年目を迎え、成功しつつあります。やがて、城山に移植できると思います。)
【キーワード】
鎮守の森、照葉樹、彦根城植生、オニバス、ハイハマボッス、大ケヤキ、
オオトックリイチゴ、イスノキ、ウワズミザクラ、タラヨウノキ
★談話室「それぞれの彦根物語」の関連情報は、下記HPでもご覧いただけます。
滋賀大学産業共同研究センター
滋賀大学地域連携センター