LLP(有限責任事業組合)ひこね街の駅 武櫓倶

築城400年祭《談話室》 それぞれの彦根物語 2006.7.29

【彦根物語9】
 「伝統木造建築と私」
-彦根とその周辺での文化財修理、社寺建築工事に携わって-
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西澤 政男
(NPO法人彦根景観フォーラム会員、
日本伝統建築技術保存会会長
㈱西澤工務店代表取締役、
(社)滋賀県建築士会幹事)




彦根周辺には、文化財建造物や多くの素晴らしい古建築が現存していますが、これらを良好な状態で次世代に引き継ぐことは、祖先からの文化を子孫へ継承する為に大変重要なことであります。それらの修復工事のいくつかに参画できた事は、彦根の大工の家に生まれ、伝統建築を志す私にとっては大変幸運なことで、正に本望でありました。その時の写真等をご覧頂き、工事中の建物の表情や、日頃見えない部分等から古人の知恵や苦労・情熱等を少しでも理解し、改めて古建築に対する愛着の念を増幅頂けたら幸いです。
 また、このような機会を多くの方々と共有することに依り、今、正に消えようとしている伝統建築技術の保存・継承を支援する輪が拡がって行くことを願って居ります。

【彦根とその周辺での仕事】
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■修理前■
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【市指定文化財 大津地裁彦根支部 長屋門・高麗門 解体修理工事】
■修理後■
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■修理の過程■
1.素屋根建設
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2.解体調査 
垂木・野地板まで煮炊きのススで真っ黒
(明治以降の取替材ではない)・・・当初材
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3.解体調査 現状垂木の止め釘以外に釘穴はなし 
         (創建以来垂木の打替えは無い)
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4.解体調査 
全ての記載番付、方位が90°振れている
全ての部材が当初材
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5.解体調査 寛保2年(彦根大火の翌年)の墨書銘有り
         庵原家の家臣の墨書名有り
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6.発掘調査 
下の層より西郷家の紋入り瓦現出
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7.発掘調査 西郷家時代の土間叩き仕上げ 現出
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8.部材修理
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9.部材修理 根継
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10.基礎石積替
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11.柱脚同寸の箱で自然石の凹凸を写し、柱脚に転写する
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12.修理完成後 古色塗り
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13.組立 野物(見えない部分)は全て新材に取替え
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14.組立 
採用に耐えない化粧材(見える部分)も新材に取替え
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15.組立 軒先部分 竹小舞下地に上塗り
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16.左官工事 カベ中塗り、軒先成形
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17.左官 漆喰上塗り
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18.土間叩き仕上げ
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19.素屋根解体
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     キーワード
      1.文化財の維持
      2.古建築の保存
      3.伝統建築技術の保存・継承
      4.日本文化の継承
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by machinoeki | 2006-07-29 17:32 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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