LLP(有限責任事業組合)ひこね街の駅 武櫓倶

《談話室64》それぞれの彦根物語2009.4.25

【彦根物語64】
 「旅する菓子屋 モロッコ行」     

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今井 章子
(ナチュラルスイーツ&旅のお茶Ruwam)



昨年5月、彦根の花しょうぶ通りにあります、街の駅「力石」にてカフェをオープンしました。花しょうぶ通り商店街の個性豊かでパワフルな皆さんに助けられ、早くも一年が過ぎました。
 
 Ruwamでは国産小麦と有機豆腐を中心とした「卵や乳製品を使わない」素朴なお菓子が
主役です。そしてもうひとつ、「旅のお茶」がメインです。

東南アジア・アフリカ・中東・・・といったあちこちのお茶を楽しみ、日本に居ながらもちょっとした旅(異国)気分を味わってもらおうというものです。
おいしいものが好きな私は旅に出るたびに出会う その初めての味や香りをRuwamにやってくるお客さんに伝えたいと思うのです。
よく「買い付け」や「仕入れ」と言った言葉が使われますが、ちょっと意味が違います。
私はその土地に赴き、人と出会い、その土地の人が愛する飲み物、日常飲んでいるものを味わいながら 人と語り、その国を知る という旅をしています。
そのため、持ち帰ってくるお茶にはなんらかのストーリーや、私のイメージする「その国」がしっかりと入っていたりするのです。
そんな旅の記憶をたどって お菓子を焼き、お茶を淹れ カフェを営んでいます。

 今回の談話室では、2009年1月~2月にかけて旅をしてきました「モロッコ」を中心に紹介しました。そのときのモロッコは日本と同じく冬にあたり、想像よりもはるかに寒く ろくに暖かい服を持っていかなかった私は毎晩上着を着こんで寝ていました。

海岸部のカサブランカ~メクネス~古都フェズと電車を使い、その後は大道芸人の町マラケシュへ。そこからは南下し、最果ての砂漠「マハミド」へと放浪していました。
モロッコの砂漠はアルジェリアにつながっています。そこまで行くと昼間はとても暑く、空気が乾燥していて水を2リットルほど飲んでいても一度もトイレに行かない程です。
一緒にいたモロッコ人のモハメッドとソフィアンがほとんど水を飲まないのには驚きでした。らくだとともにてくてくと歩き、砂漠で眠るという生活を4日ほど送りましたが 最後まで私は5分に一回くらい水を飲んでいました。
 
モロッコでは日本と同じく家に来た客をお茶でもてなすという習慣があります。
知り合うとすぐに「家に遊びにおいでよ」という意味で「お茶を飲みにこない?」っといった具合にお呼ばれするのです。そのときのタイミングにもよるのですが、お茶を飲んですぐ帰る場合もあれば、一緒におしゃべりをし 最後は晩御飯までご馳走になることも。
 そんなチャンスがあるたびに私は各家の家庭料理を一緒に作らせてもらい、覚えてゆきます。モロッコ料理にはハーブやスパイスの他、オリーブやレモンを煮込みに加えるため、庭にそれらの木がある家庭もありました。

海岸部以外は町の周りが砂漠で、雨も少ないため、水がとても貴重です。
そのため料理にあまり水を使いません。タジンという厚手の陶器鍋で蒸した料理や、蒸して食べる世界最小のパスタ「クスクス」などがありますが、どれも茹でることがないので最小限の水しか必要としません。
 まだまだ台所にガスの設備がないところは かまどのような場所で薪をくべ、そこで調理します。そのため 夕方5時頃から準備を始めても食べる頃には9時を過ぎていることも日常茶飯事。空腹とスパイスの香りに包まれ、いっそうご飯がおいしく感じます。
 そして食後は甘いアラビアスイーツと、モロッコティー。
モロッコティーとは日本の緑茶に似たような味の少し渋みのあるお茶を煮出し、たっぷりとお砂糖とミントを入れたものです。モロッコはイスラム教を信仰しているためお酒は一切飲みません。そのため、いつ何時もミントティーなのでした。
甘ーいスイーツ(本当にすごく甘いのです!)と甘―――いミントティーなのですが
あちらの気候で飲むからか とてもおいしく、より一層会話が弾むのでした。

 世界には私がまだまだ出合ったことのない味や、香り、調理方法がたくさんあります。そしてそこでしか出会えない人たちが居るのです。そんな未知への興味と興奮がときおりやってきては 私はまた旅に出てしまうのでした。

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*時々放浪している私を いつも温かく迎えてくださる花しょうぶ通り商店街の皆さんには本当に感謝しています。ありがとうございます。*

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by machinoeki | 2009-12-14 18:31 | 談話室「それぞれの彦根物語」
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